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読谷の飛行場に想う。

躊躇したら負けなので、とりあえずベンチプレス100㌕を目標にしています。

人間には生きる権利があると同様に、死ねる権利もあるはずです。

読書

斜陽 (新潮文庫)

斜陽 (新潮文庫)

私は確信したい、人間は恋と革命のために生まれて来たのだ*1
p.118

幸福感というものは、悲哀の河の底に沈んで、幽かに光っている砂金のようなものではなかろうか。悲しみの限りを通り過ぎて、不思議な薄明かりの気持、あれが幸福感というものならば、陛下も、お母さまも、それから私も、たしかに今、幸福なのである。
p.128

死ぬ気で飲んでいるんだ。生きているのが、悲しくってしようがないんだよ。わびしさだの、淋しさだの、そんなゆとりのあるものでなくて、悲しいんだ。(中略)。自分の幸福も栄光も、生きているうちには決してないとわかった時、ひとは、どんな気持になるものかね。努力。そんなものは、ただ、飢餓の野獣の餌食になるだけだ。
p.156

  • 直治の遺書

血肉に反抗し、宿命的な死を遂げる弟。その弟の遺書を読み、久しく文章で涙を流したことはなかったが、彼の吐露を訊く度にその生き方の高潔さを感じ、気付けば涙を流していた。

人間には生きる権利があると同様に、死ねる権利もあるはずです。
p.158

姉さん。
信じて下さい。
僕は、遊んでも少しも楽しくなかった*2のです。(中略)。僕はただ、貴族という自身の影法師から離れたくて、狂い、遊び、荒んでいました。
p.162

僕は、もっと早く死ぬべきだった。しかし、たった一つ、ママの愛情。それを思うと、死ねなかった。人間は、自由に生きる権利を持っていると同様に、いつでも勝手に死ねる権利を持っているだけれども、しかし、「母」の生きているあいだは、その死の権利は留保されなければならないと僕は考えているんです。それは同時に、「母」をも殺してしまう事になるのですから。
p162

どれだけの人が「死」を考えただろうか?どれだけの人がそれを思いとどまっただろうか?僕には彼の死は非常に高潔に思えた。是非ではない。許されない判断かもしれない。しかし、生きる事を真剣に考えたからこその到着地であり、家族への愛が満ちていると感じた。

*1:著者強調

*2:著者強調