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読谷の飛行場に想う。

躊躇したら負けなので、とりあえずベンチプレス100㌕を目標にしています。

寡黙なおじぃに問う、幹と根はどこにあるのか

家族 ロールモデル


オリオンビールを飲み、テレビの斜め向かいの特等席に座り、僕と向きあいながら

「正也、おじぃよ、最近気付いたことがあるわけよ。あれよ、腕の向きを変えるだけでとても楽になるってば。この年になって初めて気付いたよ。まだまだ学ぶことはいっぱいあるねぇ」

食器を洗うお袋が寡黙な「父」を表現する

「おじぃのさ、大切にしてきたことって何ね?」
「んー、何だろうねぇ」
「正也、おじぃがさ、大切にしてきたことはプライドだよ。おじぃはさ、何も言わなかったけど、全部やったんだよ。馬車が走っていた時代に、テレビや車、電気だって、この辺じゃなんでも一番だったんだよ。夜中に叩き起こされて説教されたし、木に吊るされたことはあったけど、とにかく必死だったんだろうね。家族を養うために必死だったんだろうね」

昼食の合間に写真を撮ろうとすると

「おじぃ、写真撮ろうよ!」
「あげ、ちょっと待ってよぉ」
と、ごそごそと車からサングラスを取り出して
「はい、いいさぁ」


字は読めない。それでも学ぶ姿勢はずっと持ち続けていた、とおじぃは言う

「仕事は何でもした。お金がなかったから、無いなりにどうすれば人より多くできるかを考えていた。とにかく考えて、工夫した」


いつの間にか身長はおじぃを超えた。重いものを運ぶことが、いつの間にか僕の仕事になった。でも、改めておじぃの手と僕の手を比べたとき、それは単なる表出に過ぎないと断言できる。「もうおじぃを超えた」などと、ほざく時代があったことが恥ずかしい。僕は掴み取ったものや手放したものが、あまりにも少ない。本質的に、僕はきっと皺が生まれるほど、手を動かしていないのだ。

言葉の幹と根は、沈黙である。
吉本隆明ETV特集吉本隆明 語る〜沈黙から芸術まで〜』より」

帰省したら、必ずおじぃの手伝いをしよう。そして、酒を酌み交わそう。齢七八となるおじぃの沈黙から、学ぶことを今やっと理解した。