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読谷の飛行場に想う。

躊躇したら負けなので、とりあえずベンチプレス100㌕を目標にしています。

転職をして気付いた上司の配慮と、アンドレア・ピルロの決断

転職 東京

若かりし僕をあらゆる面で支えてくれた人が、こうつぶやいたことがあった。「秋のにおいがする」と。

僕にはもちろんそういった特殊能力はないのだけれど、季節は疑いようのなく次へ移ろい変わろうとしている。


そして、僕にも新しい季節がきたようだ。半導体のプロセス開発からウェブディレクターに転職し、今日付けで営業部へ異動となった。異動は前職で体験している。だから、こういった経験はありふれているし、僕がわざわざ声高に言う必要もない。もちろん特許の申請をする必要もない。


前職での異動はあまりのも唐突だった。何の説明もなかった。配置転換。その当時の僕にとって、それは少し気の利いた戦力外通告のように思えた。その出来事が転職のひとつのキッカケになったかと問われれば、僕は首を縦に振ったと思う。振り続けたと思う。


転職を進めるなかで、いままで話をしたことのなかった上司(というか、僕がそういった席を望んでいなかった)と、酒を酌みながら、時には過去の恋愛体験をはさみ、言葉を交わす機会があった。その席で、僕は初めて異動における上司の配慮や優しさ、引き抜く側と引き抜かれる側の事情を知ることとなった。端的に言えば、僕はとても幼かった。組織とは何か、個人とは何かを勘違いしていた。


話を今に戻そう。


異動の話は、3人の上司との面談で受けた。その内の一人は、僕が現職へ転職したいと切望するキッカケを与えてくれた人。それぞれがそれぞれの言葉で、異動について説明してくれた。僕はそれで十分だった。盲目的だと思われようが、そこで発せられる言葉を「信じたい」という感情が、虚無感や切なさ、怒りなど、どんな感情をも上回った。分かりました。ありがとうございます。もう十分です。喜んで引き受けましょう、と。


そこには少なからず過去の体験が反映している。そして、僕が敬愛するサッカープレーヤーの体験も反映している。

トップ下と言うマークの集中するポジションを担うプレーヤーとしては、彼のフィジカルの脆弱さは致命的であった。まともな出場機会も与えられぬまま、レンタルに出される。ここでカルロ・マッツォーネの下、ロベルト・バッジョがいることもあり中盤の底でのプレーを経験する。


2001年、ブレシアでシーズンを終えた後、名門ACミランに完全移籍するが、監督の構想外であり、試合出場もほとんどなかった。試合出場を願うピルロは、通常のトップ下のポジションではなく、ディフェンシブミッドフィルダーとしての起用を自ら直訴ピルロブレシアでの経験を知っていたアンチェロッティは、これを承諾。その後は中盤の底から長短の正確なパスを供給し続けるレジスタとしての適性を証明し、今までの不振が嘘のようなパフォーマンスを披露。その後のUEFAチャンピオンズリーグ優勝にも貢献した。


一部省略および補足 アンドレア・ピルロ - Wikipedia

プレーヤーにとして、致命的な欠陥を抱えたピルロ。僕にもディレクターとして、同様な致命的な欠陥があったかもしれない。僕は自ら直訴したわけではない。しかし、自ら進んで選択したという本質的な部分を重ねていた。


もしかすると、僕自身の適性を知っているのは、人生の先輩である上司であるかもしれない。何かを全て理解したという傲慢な姿勢を、自己にまで適応したくない。可能性を自己で狭めたくない。


うがった見方をすれば、それは自己の判断を放棄しているように思われるかもしれない。でも、例えそれが盲目的だと罵倒されようが、僕は上司の配慮を「信じたい」と思う。僕は二度と同じ失敗をしたくない。そこには何かしら発見はあるし、気付きもある。そう信じたい。信じることを、信じた結果を自分自身に証明したい。